矯正治療の期間・流れ
矯正治療の期間について
治療期間は歯並びや噛み合わせの状態などにより変わってきます。一般的には1ヶ月に1~2回の来院を原則に、矯正装置を装着する期間が2、3年ですが、歯並びやあごの関節の状態によっては長引くことがあります。

歯の萌出や歯の動きには個人差がありますので、計画した期間が多少変更されることもあります。著しい反対咬合や、開咬、舌などに著しく間違った習慣がついている場合など、治療の難しい症例ほど治療期間がかかります。
矯正治療の流れ
矯正治療は、お子さまと大人(成人矯正)によって装置や治療の内容が異なりますが、治療の流れは同じです。成人矯正の場合、実際に装置が装着され、治療を開始すると1ヶ月に1~2回の来院および調整が必要です。再診料・処置料はいただきません。
第1回来院 初診相談
お口の中の検査を行い、矯正治療の有無や矯正治療の一般的な概略について説明します。
第2回来院 資料採取・精密検査
現在の噛み合わせの状態を評価するために歯の型、歯列の状態や口元やお顔の写真、頭部のレントゲン写真など検査を行い、分析評価します。またそれにより治療方針を検討します。
第3回来院 診断、治療方針の説明
検査および診断結果に基づき、治療方針、治療方法、使用する装置、治療期間、治療費についてご説明します。矯正治療費は治療方法や治療の難易度、治療期間によりますが、部分治療5~30万円、第1期治療30~35万円、第2期治療70~75万円です。
検査・診断料:3万1,500円
※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。
第4回以降 矯正治療開始
診断についてご本人、お子さまの場合はご家族がよく理解し、よく納得し承諾が得られたならば治療開始です。
動的治療
歯を効果的に動かすには、定期的な矯正装置の調整が必要です。また装置を装着していると汚れが残りやすくなりがちです。当院では、月に1度来院していただき、ブラッシング指導や歯のクリーニングを行っています。
保定
歯並びがきれいになっても、残念ながらまだ治療終了とはなりません。歯が移動し、その場所に落ち着くまでに2~3年が必要です。取り外しできる保定装置を使って歯を固定させ、半年に一度通院していただきます。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用
●治療期間
治療期間は1ヶ月に1~2回の来院を原則に、永久歯の矯正治療で2~3年程度です。歯の萌出や歯の動きには個人差がありますので、計画した期間が多少変更されることがあります。また治療の難しい症例ほど治療期間もかかります。最も期間を要するものには、著しい反対咬合、開咬、舌や噛み方に著しく間違った習慣がついている場合などが挙げられます。
●矯正装置の装着・撤去時
通常の治療時間は30分位ですが、装置の装着・撤去時は約1時間くらい必要です。
●食後の歯磨きをおろそかにすると
矯正治療中は食べ物が詰まりやすく掃除が難しくなります。毎食後の歯磨きは必ず行ってください。私たちスタッフも歯磨き指導を中心にできる限り予防処置を行います。
歯磨きをおろそかにすると歯の表面が溶け、虫歯や歯ぐきの炎症が起こります。これらの程度が進行しますと、治療が続けることができなくなり、装置を外すこともあります。
●治療の成果
治療を成功させるためには、患者さん自身の努力やご家族、周囲の人達の協力が必要です。装置を十分に使用しない、予約を守らない方の場合は治療がうまく進行せず、治療期間が延びるだけでなく、治療結果が不十分になることがあります。取り外し式装置やアライナー矯正装置(マウスピースタイプ)は約20時間/日の装着が必要です。治療上必要な事項を守れない場合は、治療の継続をお断りすることがあります。
●矯正治療中の痛み
矯正装置が装着されると、始めの頃は頬の粘膜を咬んだり、口内炎ができることや、装置の種類により喋りにくい場合もありますが装置に慣れるにしたがいこのようなこともなくなります。また、ワイヤーを調節してから3~4日位は個人差がありますが歯が浮いたような感じになり、食事の時などに痛くなることがあります。この間、必要なら柔らかい食事をとり、食後は優しくマッサージするように歯磨きしてください。もしどうしても痛みが強い場合は「バファリン」など、ご自分に合った鎮痛剤を飲んでも結構です。一般的には日常生活に支障のあるほどの痛みではありません。
●治療の途中で…
治療の途中で、歯が一時的に「噛みにくい」「出っ歯になる」「受け口」「隙間が出る」など患者さんが不安に感じるようなことが起こることがあります。これらは、治療のゴールに向かう一行程にやむを得ず発現するものです。どうぞご心配せずに指示に従って通院してください。必ず改善しきれいになります。
●「針金が飛び出した」「装置がぐらぐら! 」など…
ときどき治療中の装置から針金が飛び出したり、装置が外れてグラグラしていることがあり、びっくりすることがあるかもしれません。原因はいろいろ考えられますが、まず割り箸等で押し当てて中に入るのもあります。しかし、ワイヤーが歯ぐきや粘膜を傷つけて痛い時は早めにご連絡ください。うまくいって、気にならないようであれば次回までそのままで結構です。
●治療計画の変更
治療計画は患者さんごとに異なります。治療の途中で、装置の使用状況、著しい骨格 性変化、舌の突出癖や歯の動きなどによる予測できない事柄で、治療期間の延長、治療計画、治療方法の変更、抜歯などが必要になる場合があります。
●歯肉(歯茎)の後退、歯根の吸収
歯が動く時、歯茎が後退(ブラックトライアングル)や個人差がありますが、歯の根の先が吸収し短くなることがあります。多くの場合日常生活での支障はありません。そのような症状が認められた場合、個別で対応いたします。
●現代人のあごの関節はとても弱くなっています
ごの関節から音がしたり、開けにくくなったり、痛みを感じる人が増えてきています。矯正治療はこういった現象の直接の原因にならないと言われていますが、治療中このような症状が起きたらお知らせください。お口を安静に保ち、固い食物や大きく口を開けるなどあごに負担がかかることはなるべく行わないように注意してください。
●受け口(反対咬合)の人などでは
成長期の場合、治療中・治療後に下顎が著しく成長することがあり、矯正治療だけでは十分な対応ができにくくなることがあります。このような場合は矯正治療と併用して外科手術が必要になることがあります。
●後戻り、再発と再治療
矯正治療が終わるときれいな歯並びを維持するため「保定」は、とても大切です。装置を外したあと、しばらくの間歯が元の位置に戻ろうとする現象が起こりますので、必ず保定装置を使用してこれを防止します。保定装置には取り外しができるタイプや、歯の裏側に目立たないように接着するタイプなどがあります。一般的に保定装置は、歯が新しい環境に慣れるよう最初の6ヶ月間は食事や歯磨きなどの時を除いて一日中使用していただきます。その後、経過により夜間のみ使用など指示いたします。保定期間は通常2年間くらいですが、その間3ヶ月に1回来院してください。お口の中を拝見し、装置を調整します。保定装置の使用協力が不十分で再治療が必要になった際には、再治療費として治療費の一部が別途必要になります。
●親知らず(第3大臼歯)の抜歯
親知らずのある人で生えてくるスペースがなく(存在しているが埋まっている場合が多い)、その萌出力によって再び矯正治療後の歯並びやかみ合わせに悪影響を及ぼすおそれがある場合や、萌出しているがかみ合う歯がない、衛生管理できないと判断された場合は治療前・後に抜歯が必要です。
●加齢にともなう歯並びの変化
年齢が増えるにつれて、生理的に歯の「乱ぐい」や「歯間のすき間」ができることがあります。これは生理的老化現象の一つで、年を取れば誰にでも発生するものです。矯正治療とは直接関係ありません。しかし保定装置を使用し、管理を続けることにより歯並びを長期に維持することはできます。